積読1000冊が電子書籍で変わった話|感じた3つの変化を体験談で紹介

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気づけば、床に積み上がった本の山が寝室の壁の一角を占領していました。数えてみたら、読み終えていない本だけでおよそ1000冊。買った瞬間の高揚感はあるのに、読む時間はいつも「今度」に先送りにしてしまう。そんな積読生活を10年近く続けていた私が、電子書籍に切り替えたことで実際にどう変わったのかを、この記事では正直に書いてみようと思います。

積読1000冊、それでも本を買うのをやめられなかった頃の話

当時の私は、書店に行くたびに「面白そうだ」と思った本を次々に買っていました。読む時間があるかどうかよりも、「この本を読める自分でありたい」という気持ちが先に立っていたのだと思います。結果として、買った本の半分以上は表紙を開くことすらないまま本棚とその周辺に積み重なっていきました。引っ越しのたびに本の重さに閉口し、段ボールの数を見て自己嫌悪に近い感情を抱いたことも一度や二度ではありません。

電子書籍に切り替えるきっかけになった出来事

転機になったのは、引っ越し作業で本の入った段ボールを運んでいた際にぎっくり腰になったことでした。大げさに聞こえるかもしれませんが、「これ以上、物理的な本を増やし続けるのは無理がある」と本気で感じた出来事でした。それをきっかけに、まずは新しく買う本だけでも電子書籍に切り替えてみようと決めました。最初は半信半疑でしたが、実際に1年ほど続けてみて、自分でも驚くほどいくつかの変化がありました。

最初の1か月は正直しっくりこなかった

ここまで良い変化ばかりを書いてきましたが、切り替えた当初からすべてがうまくいったわけではありません。最初の1か月ほどは、紙のページをめくる感触がないことに落ち着かなさを感じ、「これは自分に合わないのかもしれない」と思った時期もありました。特に、読み終えたページ数が画面上の数字でしか分からないことに、紙の本のような「読み進めている実感」を得にくいと感じていました。それでも、通勤時間に読める本の選択肢が増えたことのメリットの方が徐々に上回っていき、気づけば紙の感触への違和感自体をあまり気にしなくなっていました。慣れるまでに一定の時間がかかる、というのも正直な実感として書いておきたい部分です。

変化1:「買ったのに読んでいない」罪悪感が減った

紙の本の積読は、本棚や床に物理的に存在し続けるため、視界に入るたびに「読まなきゃ」というプレッシャーを感じていました。電子書籍に切り替えてからは、未読の本はアプリの中の一覧にリストとして並ぶだけで、生活空間を圧迫することがありません。不思議なもので、物理的な圧迫感がなくなっただけで、読書に対する気持ちの余裕が明らかに増えました。「読めていない自分を責める」時間が減り、代わりに「今読みたい本を選ぶ」という前向きな気持ちで本と向き合えるようになったのは、想像していなかった変化です。

変化2:読む場所を選ばなくなり、読書時間そのものが増えた

紙の本は、外出時にどの1冊を持っていくか毎回選ぶ必要がありましたが、電子書籍ならスマートフォン1台に1000冊近く入れて持ち歩けます。病院の待ち時間、電車の遅延で駅のホームで待たされる数分間など、これまでなら「本を持ってきていないから仕方ない」と諦めていたスキマ時間に、気になっていた本を開けるようになりました。1日あたりの読書時間を正確に計測していたわけではありませんが、体感では読書に充てる時間が明らかに増え、月に読み終える本の冊数も切り替え前の倍近くになったと感じています。切り替え前は月に2〜3冊読み終えれば多い方でしたが、切り替え後は月に5〜6冊読み終えることが珍しくなくなりました。特に印象に残っているのは、通院先の待合室で40分近く待たされたときのことです。以前であれば手持ち無沙汰でスマートフォンのSNSを眺めるだけで終わっていた時間に、気になっていた小説を1章分読み進められたのは、電子書籍ならではの体験でした。

変化3:「積読」の中身が可視化されて、逆に消化するようになった

電子書籍アプリの多くには、購入した本が一覧で表示される機能があります。紙の本のように部屋のあちこちに分散して存在するのではなく、未読の本がひとつのリストとしてまとまって見えるようになったことで、「今どれだけ積読があるのか」を正確に把握できるようになりました。これまでは積読の全体量が見えていなかったからこそ際限なく増え続けていたのだと、切り替えてから初めて気づきました。リストの中から「これは今読める分量だ」と思えるものを選んで読み進める習慣がつき、結果的に積読は増える一方ではなく、少しずつ減っていくものに変わりました。初めて未読リストを開いたとき、電子書籍だけで既に120冊近く溜まっていることに気づき、正直なところ愕然としました。しかし数字として見えたからこそ、「今月はこのリストから3冊減らす」というように、具体的な目標を立てられるようになったのも大きな変化です。紙の積読のように「なんとなく多い」という漠然とした感覚のままでは、こうした具体的な行動にはつながらなかったと思います。

本棚と部屋の変化、そして家族の反応

切り替えを始めて半年ほど経った頃、寝室の壁を占領していた本の山は、以前の3分の1程度まで減っていました。新しく買う本を電子に切り替えただけで、読み終えた紙の本を手放す作業も並行して進めたことが大きかったと思います。同居している家族からは「床にものが積まれていないだけで部屋の印象がずいぶん変わった」と言われ、自分では気づきにくかった生活空間への影響を、あらためて実感しました。以前は本の置き場所を確保するために家具の配置まで悩んでいたことを考えると、この変化は読書習慣だけでなく暮らし方全体に影響したと感じています。

電子書籍に切り替えても紙の本を手放さなかった理由

とはいえ、私は紙の本を完全にやめたわけではありません。何度も読み返している思い入れの強い本や、装丁ごと好きで手元に置いておきたい本は、今でも紙で買っています。電子書籍への切り替えは「本をやめること」ではなく、「読み方の選択肢を増やすこと」だったのだと、1年経った今は感じています。新しく気になった本はまず電子で試し、何度も読み返したいと思えたものだけを紙で買い直す、という順番に落ち着きました。学生時代から集めていた思い出の詰まった愛読書のシリーズだけは、今でも本棚の一番目立つ場所に並べています。すべてをデータに置き換えるのではなく、「残したいものだけを厳選して紙で持つ」という感覚に変わったことで、以前よりも紙の本1冊1冊に対する愛着はむしろ強くなったように感じています。

費用面はどう変わったか

電子書籍に切り替えたことで、月々の書籍購入費が減ったかというと、正直なところそこまで大きな変化はありませんでした。むしろ、荷物を気にせず買えるようになった分、購入冊数自体は増えた月もあります。ただし、セールやポイント還元をこまめにチェックするようになったことで、1冊あたりの実質負担額は以前より下がった実感があります。以前は定価で衝動買いすることが多かったのですが、今はアプリの通知でセール情報を受け取り、気になっていた本がセール対象になったタイミングでまとめて購入する、という買い方に変わりました。結果として、読む冊数は増えても月の書籍費用の総額は以前とそれほど変わらない、というのが1年経った今の実感です。

これから積読を減らしたい人へのアドバイス

もし今の私と同じように積読に悩んでいる人がいれば、まず伝えたいのは「今ある紙の本を無理に電子化する必要はない」ということです。過去に買った本まで一気に電子書籍へ移そうとすると、作業自体が負担になり挫折しやすくなります。それよりも、これから新しく買う本だけを電子書籍に切り替えてみる方が、無理なく続けられます。積読を「悪いもの」として責めるのではなく、まずは増えるペースを緩めることから始めてみるのがおすすめです。

具体的には、次の1冊を買うときに、紙と電子のどちらで買うかを一度立ち止まって考えてみることから始めるとよいと思います。「これは何度も読み返しそうか」「今すぐ読み始めたいか、それとも資料として持っておきたいか」を自問するだけで、自然と電子書籍を選ぶ場面が増えていくはずです。私自身、最初から「積読を◯冊減らす」という目標を立てていたわけではなく、新しく買う本の選び方を少し変えただけで、結果的に積読全体のペースが緩やかになっていきました。完璧を目指さず、できるところから変えていく姿勢が、長く続けるコツだと感じています。

まとめ

積読1000冊を抱えていた私にとって、電子書籍への切り替えは罪悪感を減らし、読書時間を増やし、積読の中身を可視化して消化のきっかけを作ってくれる変化でした。紙の本をすべてやめる必要はなく、新しく買う本から少しずつ電子書籍を取り入れてみることが、積読と向き合う無理のない第一歩になるはずです。積読に罪悪感を抱えていた頃の自分に伝えたいのは、「本の量を一気に減らそうとしなくていい」ということです。読み方の選択肢を少し増やすだけで、本との付き合い方は思っている以上に変わっていきます。