誕生日や記念日のプレゼントに何を贈るか、直前まで決められずに悩んだ経験は誰にでもあるのではないでしょうか。相手の好みが分かっていても、モノを増やすことへの申し訳なさや、荷物になってしまう心配から、なかなか本を贈る決心がつかないこともあります。そんなときにふと候補に挙がったのが電子書籍でした。この記事では、実際に電子書籍をプレゼントとして贈ってみた経験をもとに、贈り物としての向き・不向きと、贈る際に気をつけたいポイントを紹介します。
なぜ電子書籍は贈り物の選択肢になりにくいと思われがちなのか
本を贈る文化は昔からありますが、電子書籍を贈るという発想は、まだそれほど一般的ではないかもしれません。理由のひとつは、「形として残らないものを贈るのは味気ないのでは」という感覚があるからだと思います。また、相手がどんな電子書籍アプリを使っているか分からない場合、贈り方自体が分かりにくいという心理的なハードルもあります。実際、筆者自身も贈ろうと思い立つまでは「電子書籍を贈るなんて聞いたことがない」と感じていました。
実際に電子書籍を贈ってみた体験
きっかけ
読書好きの友人の誕生日に何を贈るか悩んでいたとき、その友人が最近引っ越しをしたばかりで「これ以上物を増やしたくない」とこぼしていたことを思い出しました。紙の本を贈るとかえって気を遣わせてしまうかもしれないと考え、代わりに、友人が気になっていると話していた本を電子書籍で贈ることにしました。実は最初、無難にカタログギフトや雑貨を贈ることも検討したのですが、その友人が「結局読みたい本を自分で選んで読むのが一番の贅沢」と話していたのを思い出し、それなら本人が欲しいと言っていた本そのものを贈った方が喜ばれるはずだと考え直しました。
どうやって贈ったか
多くの電子書籍ストアには、ギフトコードやプレゼント用の購入機能が用意されています。相手のメールアドレスやIDが分かれば、直接本を贈れるサービスもあれば、金額分のギフトコードを贈って相手に好きな本を選んでもらう形式のサービスもあります。今回は、相手が読みたい本をあらかじめ聞いていたこともあり、その本を直接指定して贈れるサービスを利用しました。
相手の反応
贈った直後、友人からは「まさか電子書籍を贈られるとは思わなかった」と驚かれましたが、「ちょうど気になっていた本だったし、荷物にならないから助かる」と喜んでもらえました。引っ越し直後で物を増やしたくないという状況とも噛み合い、結果的にとても良いタイミングでの贈り物になったと感じています。後日、その友人から「贈られた本をきっかけに、他の巻も自分で電子書籍で買い足して一気に読んでしまった」という報告をもらったときは、贈った本がその後の読書体験まで広げるきっかけになったようで、贈った側としても嬉しい気持ちになりました。
電子書籍を贈り物にするメリット
実際に贈ってみて感じたメリットは、相手の生活スペースに負担をかけない点です。特に一人暮らしの人や、すでに本が多い人にとっては、「増えすぎた本の置き場所」を心配せずに受け取ってもらえるのは、紙の本にはない気軽さだと感じました。また、遠方に住んでいる相手にもすぐに贈れる点も便利でした。配送を待つ必要がなく、相手の誕生日当日に合わせてタイミングよく届けられるのも、電子書籍ならではの利点です。以前、遠方に住む友人の誕生日を当日にうっかり忘れかけたことがあったのですが、電子書籍であれば深夜であってもその場でギフトを手配でき、日付が変わる直前に何とか間に合わせられたこともありました。郵送では絶対に間に合わなかった場面で助けられた経験は、贈り物として電子書籍の即時性を強く実感した出来事です。
贈り物にする際の注意点・工夫
相手が電子書籍に慣れているかを確認する
普段から電子書籍を利用している人であれば問題ありませんが、電子書籍にあまり馴染みのない人に贈る場合、受け取り方や読み方が分からず戸惑わせてしまう可能性があります。事前にさりげなく「電子書籍って読んだりする?」と聞いておくか、初めての人でも操作方法が分かりやすいメッセージを添えて贈ると親切です。
メッセージを添える工夫をする
形として残らない分、紙の本を贈るときのようなラッピングの楽しさや手渡しの温かみは薄れてしまいます。その代わりに、なぜその本を選んだのか、一言メッセージを添えて贈るようにすると、気持ちが伝わりやすくなると感じました。
金額の分かりにくさに配慮する
電子書籍は紙の本と違って手元に「モノ」として残らないため、贈られた側が金額の感覚を掴みにくいという側面もあります。高額になりすぎないよう、普段贈る紙の本と同程度の金額感を意識して選ぶと、相手に気を遣わせすぎずに済みます。
紙の本の方が向いている贈答シーン
一方で、贈り物としては紙の本の方が向いている場面もあると感じています。例えば、記念に形として残したい出産祝いや卒業祝いなどは、実際に手に取れる紙の本の方が特別感を演出しやすいでしょう。また、サイン本や絵本のように、装丁自体に価値がある本を贈りたい場合も、紙の本を選ぶ方が自然です。電子書籍は「気軽に、相手の負担にならない形で贈りたいとき」に向いており、すべての贈答シーンに万能というわけではありません。
贈る相手別に考える電子書籍ギフトの向き不向き
読書好きの友人・同僚へ
普段からよく本を読む相手であれば、電子書籍ギフトは特に喜ばれやすいと感じています。読みたい本が明確に決まっていることが多く、ピンポイントで欲しい本を贈れる電子書籍は、紙の本を選ぶよりもむしろ「外さない贈り物」になりやすい傾向があります。
子どもや学生へ
参考書やコミックなど、荷物になりやすいジャンルを贈る場合は電子書籍が向いています。ただし、子どもの年齢によっては保護者のアカウント管理が必要になることもあるため、贈る前に家庭の状況を確認しておくと親切です。
高齢の家族・親戚へ
電子書籍に馴染みのない高齢の家族に贈る場合は、贈り物としてより先に、まず一緒に使い方を試してみる機会を作る方が喜ばれることが多いと感じます。いきなり贈られても操作に戸惑ってしまい、かえって負担に感じさせてしまう可能性があるため、慎重に判断したいシーンです。
実際に贈られる側になってみて感じたこと
後日、今度は自分が電子書籍を贈られる側になる機会がありました。ちょうど気になっていた新刊を友人が贈ってくれたのですが、通知が届いてすぐにその場で読み始められたことに驚きました。紙の本を郵送で贈られた場合は、受け取ってから読み始めるまでに数日のタイムラグが生まれることが多いですが、電子書籍であれば「贈られた瞬間から読める」という体験そのものが新鮮でした。贈る側だけでなく、贈られる側の視点で考えても、電子書籍ならではの良さがあると実感した出来事でした。
よくある質問
電子書籍を贈ったことが相手に伝わりにくいということはありませんか?
贈られた本のタイトルと一緒に、贈り主からのメッセージが表示される仕組みになっているサービスが多いため、誰から贈られたかが分からなくなる心配は基本的にありません。ただし、サービスによって表示のされ方が異なるため、事前に贈り方の仕組みを確認しておくと安心です。
相手が使っていないストアの電子書籍を贈ってしまったらどうなりますか?
相手が普段使っていないストアの本を贈ると、新たにアカウント登録が必要になり、贈られた側の手間が増えてしまう可能性があります。可能であれば、事前に相手が普段利用しているストアを確認しておくと、スムーズに受け取ってもらえます。
まとめ
電子書籍は、相手の生活スペースに負担をかけず、遠方にもすぐに贈れるという点で、これまでにない贈り物の選択肢になり得ます。一方で、形として残したい特別な贈答シーンには紙の本の方が向いている場合もあり、贈る相手やシーンに応じて使い分けることが大切です。次に贈り物選びに悩んだときは、電子書籍という選択肢もぜひ検討してみてください。相手の生活状況や普段の読書習慣を思い浮かべながら選ぶと、モノとしての贈り物とはひと味違う、気の利いたプレゼントになるはずです。

